表記見出しでNHKの報道がありました。同様の報道も各報道機関からなされています。
かかる報道からは、マスク着用の場面を減らすかのような印象を受けたかもしれません。
しかし、よく確認すると、文科省の言いたいことは「今までも通知していたように、熱中症の問題もあるから体育の時などはマスクしなくて構いませんよ。」というだけのことです。
そもそもマスク推奨は、政府の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/th_siryou/kihon_r_040523.pdf)の18ページでしっかりと謡われています。具体的にどのような場合にマスクを推奨するかですが、
①屋内で他者と距離がとれない
②屋内で距離がとれるが会話をする
③屋外で距離がとれず会話をする
④高齢者などとの面会や病院など重症化リスクのある人と接する場合
と整理されています。ケース分けが多く、抽象的なこともあり、非常に分かりにくく混乱の元となっていると思います。
また、文部科学省が作成している「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~(2021.11.22Ver.7)」(https://www.mext.go.jp/content/20211122-mxt_kouhou01-000004520_4.pdf)では、マスクの着用について、42ページで次のように整理しています。
①身体的距離が十分とれないときはマスクを着用するべき
②十分な身体的距離が確保できる場合は、マスクの着用は必要ありません
③気温・湿度や暑さ指数が高い日には、熱中症などの健康被害が発生するおそれがあるため、マスクを外してください
④体育の授業においては、マスクの着用は必要ありません。ただし、十分な身体とれない状況で、十分な呼吸ができなくなるリスクや熱中症になるリスクがない場合には、マスクを着用しましょう。
はてさて、学校生活上、これらのルールを適宜、判断することなど児童や教師に可能なのでしょうか。大人の私が読んでいても、なんとかやっと理解が可能な内容です。
さらに、厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部子ども家庭局は、本年5月20日付事務連絡(https://www.mhlw.go.jp/content/000941323.pdf)において、以下のとおり整理をしています。
1.屋外でのマスク着用について
・ ランニングなど離れて行う運動や、鬼ごっこのような密にならない外遊びなど、屋外で、2メートル以上を目安として他者との距離が確保できる場合はマスクを着用する必要はないこと。
・ 徒歩での通勤など、屋外で人とすれ違うことはあっても、会話はほとんど行わない場合は、マスクを着用する必要がないこと。
屋外であっても、近い距離で会話をするような場面では引き続き、マスクの着用を推奨すること。
・ 夏場については、熱中症になるリスクが高くなるので、上記のマスクを着用する必要はない場面では、マスクを外していただくことを推奨すること。
2.屋内でのマスク着用について
・ 他者との距離が確保できており、会話がほとんどない場合は、マスク着用は必要ないこと。他方、会話を行う場合は、着用を推奨すること。
・ 距離が確保できない場合で、会話を行うときはマスクの着用を推奨すること。
加えて、通勤電車の中など距離が確保できない場合で、会話をほとんど行わないときについても、着用を推奨すること。
3.子どものマスク着用について
・ 子どものマスク着用については、これまでも2歳未満については、マスク着用は奨めておらず、この取扱いに変更はないこと。
こうした各通知や事務連絡などを経て、冒頭の報道に戻るのですが、そこで言いたいことは結局、すでに述べたとおり「今までも通知していたように、熱中症の問題もあるから体育の時などはマスクしなくて構いませんよ。」というだけのことだそうです。
一体、今後は子どもの学ぶ権利についてどう対処し、どう確保していくのか先が不安になる政府の姿勢と感じます。昨日のブログでも指摘したとおり、10代以下の致死率が非常に低いというこれまでの経過も踏まえて今後のあるべき学校運営を早急に実現して欲しいと思います。