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わいせつ行為に対する責任追及の「時間的な壁」について

教師による生徒に対する性犯罪が後を立たない中、興味深い二つの実例がありました。

一つは、20年以上前のわいせつ被害に対して裁判所に訴えたものの、時間的な壁を根拠として賠償責任が認められなかったもの。

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もう一つは、15年前のわいせつ被害について、教育委員会が懲戒免職処分を行なったもの。

エラー|NHK NEWS WEB

いずれの事案も、被害から長い期間を経て、被害者が事実を申告したものです。

しかし、一つ目の事例では責任が否定され、もう一つの事例ではこれが肯定されました。

その大きな違いは、被害申告を踏まえ、加害者が事実を認めたのか、争ったのかの違いにあります。また、一つ目の事例では、裁判による解決を求めたものの、もう一つの事例では教育委委員会による判断を求めたという違いもあります。

裁判所は、法律に基づき時効期間や除斥期間という限界、事実に対する立証の問題画どうしても付き纏います。その結果、加害者が事実を否定し、除斥期間の主張などを展開すればどうしても被害者にとって不利な結論に陥りかねません。

他方で、もう一つの事例では、加害者が事実を認めたことを前提に、教育委員会が加害者に対する責任判断を行われ、そこでは除斥期間などの判断も必要がないためこの度のような結論に至ったものです。

いずれの事案も非常に似たような経過を辿りつつも、加害者の対応の違いが結論に大きな違いをもたらしています。

最近、教師によるわいせつ犯罪の問題が非常に多く話題になっています。これがなくなるように私たちは社会や法制度のあり方を考えなくてはなりませんし、万が一、被害が生じてしまった場合の救済も同時に考えて行かなくてはなりません。

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