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不払い養育費に対する新たな対策について

子どものある夫婦が離婚をすると、子どもをみることになった親は、他方の親に対して養育費の請求が可能です。離婚に伴い養育費を取り決めるケースも増えてきました。

しかし、厚労省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果」によると、養育費の取り決めをしているのは、母子世帯(母親が子をみることになったケース)で42.9%と半分にも満たない割合です。

しかも、取り決めをしたうち、その養育費を「現在も受けている」割合はわずが24.3%とのことです。

この数字からは、離婚した母子世帯全体の約10%程度しか養育費を受け取っていない可能性が高いことが明らかとなります。

そのような問題に対しては、以前から様々な対策が議論されてきました。

つい最近では、取り決めた養育費の不払いに対して、相手方の財産を差し押さえるための財産開示が容易に行える法制度の改正がありました。

これに加え、最近では法務省の有識者会議において、離婚届けの提出に合わせて養育費に関する取り決めも届け出る制度の創設や、かかる取り決めに違反した際に強制執行を可能とする制度の創設が議論されています。

エラー|NHK NEWS WEB

かかる制度が実現すれば、離婚に伴い養育費がきちんと決まるので上記のようにそもそも養育費の取り決め自体が半数以下という状況が改善する可能性があります。

しかし、仮に「養育費を取り決めない限り離婚届けが受理されない」という制度にしてしまうと、様々な事情で早期に離婚をしたくても養育費が決まらないので離婚ができないというジレンマに陥りかねません。他方で、離婚届けの提出に養育費の取り決めが必須でないのであればそれはそれで現行制度と何ら変わりはないままになりかねません。

そのため、新制度の創設にあたっては十分な検討がまだまだ必要だと予想されます。

以上の他、自治体によっては養育費立替払い制度を設けるなどし、離婚に伴い未成年の子が経済的な不利益を受けないよう配慮したりもしています。

このように、養育費の不払いに対しては様々な観点から対策が充実しつつある状況といえます。

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