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朝ドラ、「おちょやん」がもし現代の話だったら?ネグレクトと、児童福祉法に基づく施設入所について

この前から、NHKの朝の連続ドラマ、「おちょやん」が始まりましたね!

私は、朝ドラが好きで、毎朝通勤のときにラジオのように流聞きをしています。

この「おちょやん」、全体的にコメディ仕立てになっており、明るく見れるのですが、、

時代背景上、主人公の「ちよちゃん」がなかなかヘビーな環境におかれています。

ちよちゃんはまだ7~8歳ですが、早くに母親を亡くしました。飲んだくれの父に代わって幼い弟の世話をし、家事を切り盛りしています。学校にも行けません。

これがもし、現代の話なら…?

間違いなくネグレクト案件。学校を通じて児童相談所に通告が入り、一時保護→施設等入所の可能性もあるでしょう。

一時保護は児童福祉法33条1項・2項に基づき、児童相談所長が必要と認めるときに行うことができます。

行政の内部ルールとしては、原則として子ども、保護者の同意を得て行ことが望ましいされていますが、絶対ではありません。少なくとも、法律上は保護者の同意は不要です。

また、その後ですが、父親への指導・支援を行ってもネグレクトの改善の見込みがないようであれば、児童相談所は施設入所等ができないか検討することになると思われます。

この措置に関しては親権を行う者の同意が必要とされていますが(児童福祉法27条4項)、この同意が得られなければ、児童相談所は家庭裁判所に対して施設入所を求める申立てを行うことになるでしょう(児童福祉法28条)。最終的には裁判所の判断ですが、これが認められた場合、親権者が同意していなくとも、子どもは施設ないし里親等のもとで過ごすこととなります。

ドラマの中のちよちゃんは、きっと不遇な環境でも明るくたくましく人生を駆け抜けてゆくのでしょう。それは、ある種、どんな環境で生まれ育ったとしても、楽しい人生を送ることができるという希望でもあります。

しかし、本来であれば、そのような不遇な状況は改善されなければなりません。

たくましいのも、明るいのも、とても素晴らしいことですが、それが過酷な環境に適応するためだとしたら、こんなに悲しいことはありません。

虐待は根深い問題ですが、1人でも多くの子どもが安心できる環境で生きていけるよう、社会全体で考えていかなければいけないと思います。