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未成年者略取、誘拐事件

香川県内にてわいせつ目的誘拐の事件があったようです。

KSB瀬戸内海放送

被害女性は17歳で、加害男性は高校教諭の38歳とのことです。もともと知り合いのようで、わいせつな行為をしようと一緒にいた女性に「帰るぞ」と申し向けて車に乗せてそのままホテルに連れて行ったとの報道です。

かかる行為がわいせつ目的誘拐として逮捕に至っています。直接の性被害には至らずに済んだようですが、女性の心身の傷を思うとどうしてこのようなことになったのか気掛かりです。

ところで、誘拐罪にはいろいろ類型がありますが、未成年者を誘拐する未成年者誘拐罪、わいせつ目的で人を誘拐するわいせつ目的誘拐罪などがあります。本件では、未成年者であるものの、わいせつ目的があったことから、未成年者誘拐罪よりも重い刑罰のわいせつ目的誘拐罪の適用が考えられます(わいせつ目的未成年者誘拐罪というものはありません)。

また、誘拐という行為態様は、何となく「長期間に渡り、他人を不法に拘束するもの」と捉えられがちですが、長期間かどうかを問わず、「欺罔または誘惑を手段として、現在の生活環境から人を誘い出し、自己又は第三者の事実的支配下に置くこと」を言います。その意味で、本件では「帰るぞ」と言いつつ、ホテルに連れ込んでいるので、「欺罔を手段として、現在の生活環境から未成年者を誘い出し、自己の事実的支配下に置いた」ということができます。