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小説「国宝」を野暮な目で見る

弁護士というのは嫌な仕事で、ついついノンフィクションの本・映画を「これって法的にどうだったっけ」という目で見てしまうことがあります。

さて、最近映画「国宝」がヒットしていますが、なかなか見に行く時間がとれず、原作の小説を読んでいます。

主人公は、ヤクザの息子、喜久雄。

喜久雄は、父が殺された敵討ちのため、同じくヤクザの「宮地」を殺そうと、喜久雄の通う学校に来た「宮地」にナイフをもってつっこんでいきます。

しかし、「宮地」が持っていた革財布によって刃先が届かず、大した怪我にはならず、という場面があります。

私はもうこの時点で

少年事件・・・

実行の着手はあるし殺意もある以上殺人未遂か・・・

15歳といえど、逆送(刑事裁判の対象)になってしまうだろうか・・・

敵討ちという経緯に照らせばあるいは情状酌量の余地が認められないか?

しかし本人がヤクザの息子であることも踏まえると、暴力によって解決しようとした点が非常に反社会的なものとして評価されてしまう可能性があるな

などと考え、集中できませんでした・・・・。

なお、小説では結局、「敵討ちをしようとした少年に厳しくあたれば、あなたの評価が下がりますよ」という学校教師の説得により、無事示談、被害届も出されず、といった結末です。

この先生、すごい度胸ですね!

こんな協議交渉ができれば、だいぶ凄腕の弁護士だなと思います。

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