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SNSと誹謗中傷

日本財団が、17歳~19歳の男女1000人を対象に行った、SNSに関する意識調査の結果を報告しています。

この報告によれば、➀全体の94%にSNSの利用経験があり、➁また約12%の若者が、SNSでの誹謗中傷を受けたことがある、③約5%の若者が誹謗中傷発言をシェア等したことがあると回答しています。

昨今のSNSにおける誹謗中傷が、これまで取りざたされてきた名誉棄損の問題と大きく異なるのは、1対多数である点であると考えます。

従来、名誉棄損が問題になる典型的な場合といえば、新聞や雑誌、書籍などに名誉棄損的内容が掲載された場合(すなわち対マスメディア)、個人間のトラブルで、多数人の前で1人が相手方に対して名誉棄損発言をするだとか、ビラを配布したり、張り紙をするだとかいうような場合(すなわち対個人)が挙げられます。

こうした従来型のケースも、多数人の目に触れるように個人の社会的評価を下げる内容の表現を行うという点ではSNSによる誹謗中傷と共通します。しかし、従来型のケースでは、誹謗中傷を行っている主体は基本的に単独です。

一方、SNSの場合は、多数の個人が(多くの場合はさしたる根拠もなく)、特定の人物に対して短文の名誉棄損発言を行うという形態が多いように思います。従来型であっても、特定の名誉棄損言動に誘発される形で名誉棄損が行われることはあったでしょうが、それが極めて手軽に行えるようになっている。

私個人としては、表現の自由は強く保護されなければならないと考えています。

それは、表現は本来、人が自分らしく生き、かつ自分の生きる社会を変えていくための極めて重要な手段であるからです。これを規制しては、この世に存在する不当な出来事を変えていくことができなくなります。そうである以上、法によって表現行為を制約することを広く認めるべきではありません。表現への対抗は基本的に表現で行うべきであり、支持されない表現は自然と淘汰されるのがあるべき姿です(思想の自由市場という考え方です)。

ところが、SNSの誹謗中傷を見ると、上記のような伝統的な考え方が通用しないのではないかと思わされるのです。

どこの・誰だか知らない人物か・一言だけ文句をつけていく。(たとえば、「不愉快だ、やめろ」「ブサイクで見ていて気分が悪い」など。もっとも、これらの例が表現がいわゆる「名誉棄損」に該当するとは断定できませんが…。)。そして、その数が極めて圧倒的多数。

このとき、はたして思想の自由市場は働いているのでしょうか。表現に対して、表現で対抗できるという前提は維持できているのでしょうか。

上記アンケートでは、若者の75%が法整備が必要であると回答したようです。

方向性ややり方は慎重に検討しなければなりませんが、SNSの誹謗中傷をめぐっては、法整備を急いで行うべき段階になっていると思います。

18歳意識調査 | 日本財団
日本財団は「ソーシャルイノベーション」のハブとなり、子ども支援、障害者支援、災害復興支援など、よりよい社会づくりを目指します。あらゆる人や組織をつなぎ「みんながみんなを支える社会」を目指します。

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