新型コロナウイルス蔓延に伴い、ソーシャルディスタンスの重要性が叫ばれています。これが感染防止の観点から重要な意味を持つことは確かにそのとおりなのでしょう。
しかし、感染防止を謳うがために、そのことに伴い失われる価値があることを見過ごしてはなりません。
特に、小さな子どもとのスキンシップやコミュニケーションはまさに「濃厚接触」そのものですが、感染防止を理由としてこれらを無くしてはならないと考えます。
小さな子どものころに、親を始めとした近しい人との愛着形成がその子の心身の発育に非常に重要な意味を持つことは科学的に明らかと言われています(愛着形成の重要性は、精神科医の岡田尊司さんの著書「愛着障害」に詳しく紹介されています。)。
それゆえ、感染防止の名の元に子どもの心身の健全な成長を犠牲にしてはいけないと思うのです。家庭でも保育や学校の現場でも、このことは念頭に置きつつ子どもとの濃厚接触を維持して欲しいのです。
当然、感染が疑われる場合には別です。私が言いたいのは、感染防止の美名のもとに子どもの成長や健康を阻害してはいけないということです。もっとこのことを世間で議論していかないといけないと思います。子どものころの愛着形成は今しか得られない重要な価値を持ちます。
他にもマスクの着用に関し、保育士がマスクを着用していると、とりわけ乳幼児に関しては、保育士の表情が読み取れず、不安定になったりすることがあるようです。乳幼児は当然、言葉よりも表情や仕草で情報を読み取る比率が高いので、マスクによってこれが阻害されると、周囲の人間が何を考えているのか、十分伝わらず不安になるのだと思います。
このように、現在とられている新型コロナウイルス対策について、私はもっと、子どもの目線での立案をして欲しいと思っています。