文部科学省による「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査結果の概要」が今年10月27日に公表されました。
令和2年度ではいじめの認知件数も、いじめ重大事態も、暴力行為の発生件数も大幅に減少した結果となっていました。
ただし、令和2年度の調査でもネットいじめや自殺した児童数は増加していた点が気になっていました。
これに対して令和3年度の調査結果では、
①いじめの認知件数は615,351件(前年度517,163件)であり、前年度に比べ
98,188件(19.0%)増加
②いじめの重大事態の件数は705件(前年度514件)であり、前年度に比べ191件(37.2%)増加
③小・中・高等学校における暴力行為の発生件数は76,441件(前年度66,201件)であり、前年度から10,240件(15.5%)増加
という結果になっています。
残念ながら昨年度よりいずれの項目も大幅増です。
ただし、
④小・中・高等学校から報告のあった自殺した児童生徒数は368人(前年度415人)
となっており、自殺児童数の総数自体は減少に転じています。
とはいえ、小中学生の自殺数自体は増加しているとのことであり、憂慮すべき状況であることは変わりありません。
調査報告書では、文部科学省の対策として次のようにな一文がありました。
「調査結果からは、新型コロナウイルス感染症によって学校や家庭における生活や環境が大きく変化し、子供たちの行動等にも大きな影響を与えていることがうかがえる。人と人との距離が広がる中、不安や悩みを相談できない子供たちがいる可能性があること、子供たちの不安や悩みが従来とは異なる形で現れたり、一人で抱え込んだりする可能性があることも考慮する必要があり、引き続き周囲の大人が子供たちのSOSを受け止め、組織的対応を行い、外部の関係機関等に繋げて対処していくことが重要である。」
ここからわかることは、やはり児童にとってコロナ対策がいかに心身の健康に大きな悪影響を与えているかということだと思います。コロナ対策として一斉休校をしたことがありますし、その後も授業や行事、給食や学校生活全般に渡り、大きな制限をかけてきました。
そのことの直接の影響を被るのはまさに児童にほかならず、その結果が今回の調査結果に表れているのではないでしょうか。
マスクの着用にしても何にしても、早く以前の状態に戻すことがとても大切だと感じます。