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登下校時のマスク非着用について

各地の学校で子どもの熱中症が相次いでいることを受け、文部科学省は9日、体育の授業や部活動、登下校時にマスクを外す指導を徹底するよう都道府県教育委員会などに改めて求める方針を決めた。10日に通知を出す。

2日には大阪女学院中学・高校(大阪市)で体育大会に参加した生徒の4割程度がマスクを着け、30人が搬送された。学校側はマスクを外すよう指示していたが、徹底できなかったという。

(日経新聞2022年6月10日)

学校生活におけるマスク着用の要否については、先日のブログでも詳細に説明をしました。一部抜粋すると次のとおりです。

~以下、2022年5月25日付ブログより引用~

文部科学省が作成している「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~(2021.11.22Ver.7)」(https://www.mext.go.jp/content/20211122-mxt_kouhou01-000004520_4.pdf)では、マスクの着用について、42ページで次のように整理しています。

①身体的距離が十分とれないときはマスクを着用するべき

②十分な身体的距離が確保できる場合は、マスクの着用は必要ありません

③気温・湿度や暑さ指数が高い日には、熱中症などの健康被害が発生するおそれがあるため、マスクを外してください

④体育の授業においては、マスクの着用は必要ありません。ただし、十分な身体とれない状況で、十分な呼吸ができなくなるリスクや熱中症になるリスクがない場合には、マスクを着用しましょう。

~引用終わり~

冒頭の報道では、上記のマスク着用の例に加え、登下校時のマスク非着用について、その指導を徹底するよう通知を発出するとしたものです。

また、文部科学省が作成している「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~(2021.11.22Ver.7)」の57ページでは、もともと登下校時のマスク着用について、次の通り整理をしています。

夏期の気温・湿度や暑さ指数(WBGT)が高い中でマスクを着用
すると、熱中症のリスクが高くなるおそれがあります。このため、
温・湿度や暑さ指数(WBGT)が高い時には、屋外で人と十分な距離を
確保できる場合には、マスクを外すように指導します。

小学生など、
自分でマスクを外してよいかどうか判断が難しい年齢の子供へは、
温・湿度や暑さ指数(WBGT)が高い日に屋外でマスクを外すよう、積
極的に声をかけるなどの指導を行います。
その際、人と十分な距離を
確保し、会話を控えることについても指導します。

なので、報道にあるような通知はかかる整理を再度、通知するという趣旨であり、以前からの基準を軽くしたとかというものではありません

とはいえ、子どもの健康のことを思って、マスク非着用の場面を広く通知することはとても良いことだと思います。特に、冒頭の報道によると、マスク着用のためか、体育大会に参加した30人が搬送されたとのことなので、マスク着用が児童生徒に与える影響について学校側の徹底した指導が強く求められる状況になっています。

この点、私の考えとしては、

①暑ければマスクを「外しても良い」という指導ではなく

②暑いのでマスクを「外すように」という指導

が求められてきていると思っています。

特に自主的判断の難しい低学年になればなるほど、教員による積極的な指導が重要だと思います。単なるマスクが大きな健康問題に繋がりかねない時代です。十分に注意が必要です。当然、マスク着用のあり方や指導を巡って責任問題になることも考えられます。