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「子どもを、夫/妻に会わせたくありません」「夫/妻が子どもに会わせてくれません」面会交流について➀

「子どもを、夫/妻に会わせたくありません」

相談を受けていると、時折、こんな一言をお聞きすることがあります。

養育費を支払わないのに。あんなに暴言を吐いて暴れたのに。浮気をしていたのに。

お気持ちはよく分かります。

ただ、残念ながら、面会交流は子どもと親との間のこと。

実際に現在お子さんを監護している親であっても、その一存でお子さんを会わせないということはできないのです。

どれだけ(自分にとっては)ひどい夫/妻であろうとも、子にとって父/母であることは変わりないからです。

面会交流は、「子の福祉に配慮して」行うことが前提、つまり子どものことが第一の取り決めです。ですから、お子さん自身が虐待を受けていたとか、そういった例外的な場合にのみ、面会交流を正当に拒否できる事由があるといういうべきでしょう。

裏を返せば、そういう事由があるのなら、お子さんのために相手方にきちんとその旨伝え、はっきりと面会を断らなければなりません。

一方で、こんな相談をされる方も少なくありません。

「夫/妻が子どもに会わせてくれません」

法律の世界では、「権利がある」かどうか、それを「実現できる」かの両方を考える必要があります。

先ほど述べた通り、面会交流権が認められない事態というのは、虐待などのケースに限ります。しかし、権利があるなら必ず会えるというわけではなく、事実上監護親が面会を頑なに拒否する場合、これを強制的に実現するのは困難です。

できるだけ、任意で面会に応じてもらえる方が何かと早いですし、手間も費用もかかりません。ですから、あれこれと理由をつけて断られることのないよう、いわば相手方の「断られる理由をつぶす」ような慎重な行動が必要です。

ところで、「子どもを夫に会わせたいのに、会ってくれない」。こんなパターンはどうでしょう?

実際にこういった事案は聞いたことがないのですが…

先述した通り、面会交流は、子の福祉が前提となりますから、お子さん自身が非監護親に会いたいと言うのなら、お子さんに面会交流権が発生しているというべきでしょう。

手続としては、話合いで進まないなら、調停などの話合いの場で面会交流を求めていくことになろうかと思います。