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いじめ被害の弁護士相談はいじめ問題に詳しい法律事務所へ

この記事では、いじめ被害に遭った際に、被害者本人や親がどのような場合に弁護士に相談すべきかを他の相談先も含めて解説をしています。コラムにある情報を踏まえて、受けた被害をどのように回復するかをご検討いただけますと幸いです。

【本文】

1 いじめの被害はどこに相談するべきか?

 ⑴いじめの相談先には何があるか?

  このような悩みを抱えているいじめ被害者や、その保護者は決して少なくありません。そもそも、いじめの被害の相談先としては、以下のとおり多数考えられますが、その際に具体的にどの相談先に相談をするべきかの判断がつかないことも多いと思います。

  「学校で受けたいじめについて、誰かに相談したいけど誰に相談をしたら良いかが分からない。

  そこでまずは、これら相談先の特徴をご説明し、その上でどのような場合には弁護士への相談が望ましいのかを解説したいと思います。

【いじめ被害の相談先一覧】

①学校(担任、主任、スクールカウンセラー含む)

②親、保護者

③友人、先輩

④行政機関

⑤弁護士

 ⑵①学校(担任、主任、スクールカウンセラー含む)

  いじめの被害に遭った際に、一番に相談先として思い浮かぶのは担任を始めとした学校への相談だと思います。そもそも学校は一丸となっていじめを未然に防止するべき立場にあります。

  そのため、担任の教師を始めとして学校がいじめの問題にしっかりと耳を傾けてくれて解決のために動いてくれるようであれば相談先としてベストと言えます。

  他方で、学校は時に保守的な態度や行動に出ることもあります。その結果、被害者の声にきちんと耳を傾けることなく、いじめの事実を否定したり、矮小化したりすることがあります。

  さらにひどいケースでは、学校の担任の教師がいじめを明らかに黙認したり、それどころかいじめに積極的に加担したりすることすらあります。

  そのため、学校への相談が常にいじめ被害者の救済になるとは限りません。

  

  学校への相談の関係では、他にもスクールカウンセラーへの相談も考えられます。スクールカウンセラーとは、心理についての専門性を持ち、学校において、児童・生徒が抱えるさまざまな課題について解決のための助言や指導などをおこなう者のことをいいます。スクールカウンセラーは、児童生徒以外の教師や保護者もその利用が可能となっています。そして、文部科学省では平成7年度から全国に配置を進めてきました。

  スクールカウンセラーは、いじめに限らず、児童生徒が抱える様々な悩み事の相談に乗る立場にあります。当然、相談の費用は無料です。そのため、スクールカウンセラーへの相談により心の負担が軽減することや、いじめ被害の解決の糸口が見つかることも十分にあり得るところです。

  とはいえ、スクールカウンセラーはあくまで相談役という立場に留まることから、具体的に当該いじめ問題や生じた事態ないしトラブルそのものに向けて何か直接の行動を起こしてくれるということはありません。

  この点、注意が必要です。

 ⑶②親、保護者

  いじめ被害に対して、自分の親に相談したい、相談すべきと考えるケースも少なくないと思います(他方で、学校で起きたいじめの問題を家庭には持ち込みたくない、自分の親にだけは言えない、言わない、相談できないというケースも相当多数に及ぶと思います)。

  そのようなケースでは、やはり親に相談をすることは最善の解決に繋がりやすいと考えます。親はあなたのことを最優先に考えてくれるでしょうし、最善の方法をアドバイスしたり共に行動したりしてくれることでしょう。

  当然、親は学校にいじめの問題の解決のために行動をし、必要に応じて加害児童やその保護者へもアクションをとってくれることでしょう。

  このような行動は、いじめの問題を解決するのに大いに役に立つことは間違いありません。そして、親への相談が、この後説明するように、弁護士への相談に繋がり、その結果いじめ問題の解決に繋がることも多々あることです。

 ⑷③友人、先輩

  あなたが受けたいじめ被害を、友人や先輩などに相談できるようであれば、それもまたいじめ被害の回復に役立つことがあると思います。

  自分の味方になってくれる友人であれば、いじめ加害者に対してこれ以上いじめをしないように告げたり、求めたりしてくれることもあるでしょうし、いじめの現場で制止してくれることもあるでしょう。

  友人や先輩は、親やスクールカウンセラーなどと異なり、まさにいじめの現場に同席する可能性が高い第三者のため、自分の味方になってくれる場合にはとても心強いはずです。

 ⑸④行政機関

  相次ぐいじめ問題に対しては、行政機関としてもその対応策を積極的にとり、制度を用意しています。対応策のうちの一つとして、多様な相談窓口が設けられており、インターネット上に情報が載せられています。その概要は以下のとおりです。

  ・文部科学省「子供のSOSの相談窓口」

子供(こども)のSOSの相談窓口(そうだんまどぐち):文部科学省

  このウェブサイトからは、SNSでの相談、電話での相談の窓口を紹介しています。さらに、地元の相談窓口を探すためのページもあります。

  多様な窓口が紹介されている点はメリットとも言えますが、他方で、あまりにも窓口が多すぎるため「実際に自分はどの窓口から相談をすればよいのか」の判断がつかないというデメリットがあると思います。

  結果、どこに相談すればよいか判断がつかず、相談をしようと思ってもその相談先であっているのか不安になる方も少なくないと思います。

 ⑹⑤弁護士

  いじめの被害に遭ったことの相談として、真っ先に弁護士を思いつく方はそう多くないと思います。特に、被害児童生徒本人から弁護士への相談を思いつくことは相当限られていると思います。やはり、弁護士への相談というのは一般的に法律相談と言われ、いじめ被害の問題がこれに該当するのかが判断しづらいことや、弁護士という存在に敷居の高さを感じることが理由だと思います。

  とはいえ、いじめ被害は心身に重大な影響を与えること、ひどいケースではケガを負ったり、後遺障害が残ったり、自殺を含めて死に至ったりすることがあります。このような重大な被害はまさに法律相談にふさわしく、これらに対しては、加害者やその保護者に対して適切な法的責任の追及(話し合い、示談交渉、訴訟等)も避けて通れません。もっと言えば、加害者への法的責任の追及なしには、大切な子どもをさらなる被害から守ることもできません。

  そして、このような法的責任の追及のためには、法律の専門家として被害者の立場に立った弁護活動を行える弁護士の存在がとても重要です。

  特にいじめ問題は、加害行為の立証因果関係の立証責任論の立証損害の立証という難しいハードルが複数構えています。また、いじめ加害者の特性や対応にもきちんと向き合えることが必要です。

  結果、単にどの弁護士でも対応できるということにはならず、不法行為論に精通しており、いじめ問題(とりわけいじめ防止対策推進法やいじめ被害の深刻さ)にも詳しく、かつ被害児童や保護者へ寄り添える弁護士でなければ太刀打ちできません。

  その意味で、弁護士への相談は、加害児童の対応に納得がいかないケース、傷害等による損害賠償をしっかりと求めたいケースにおいて重要な意味を持つこととなります。

2 いじめを弁護士に相談するメリットは何か?

  以上のように、いじめ被害を弁護士に相談することもケースによっては非常に大きな意味を持ちます。その際に、弁護士に相談することのメリットとしては以下のようなものをあげることができます。

 ①加害児童に対して毅然とした態度で臨むことができる。

  弁護士の介入後、弁護士が加害児童と直接に交渉をしたり、話し合いをすることがあります。しかし、いじめ加害者は、いじめの事実を否定したり、矮小化したりすることが多分にあります。

  そのような態度に出た際に、法律の専門家であり、いじめ被害者の味方である弁護士は、介入後、加害児童の矛盾や言い分に対して事実や証拠に基づきすぐに反論をすることができます。

  その結果、言い逃れを許さないという態度で話を進めることが可能です。

 ②学校に対しても毅然とした態度で臨むことができる。

  いじめ問題が明るみになると、弁護士への相談も踏まえ、学校との面談や話し合いを実施することが多々あります。起きた出来事に対する学校の認識の確認や、学校の対応についての確認をすることが多いです。

  その際、学校側は自己保身のため、事案を矮小化したり、学校には何ら落ち度や責任がないかの回答をしたりすることがあります。

  これに対して、学校としてあるべき対応の過不足をしっかりと指摘し、場合によっては学校の落ち度の指摘をすることが可能です。さらに、いじめ調査の申し入れを行うようなケースでは、いじめ調査の実施に消極的な学校に対して、被害の回復のためにこれが必要であることを、法的根拠を伴って主張することが可能です。

  その他にも、いじめの結果不登校になっている児童生徒に関しては、不登校の解消のために具体的にどのような対応が可能かを弁護士と学校、教育委員会との間で綿密に相談をし、不登校の解消のための対応をとることも可能です。

 ③法的な手続きがとれる

  いじめ被害の回復のために、加害者や学校に対して示談交渉や裁判を行う際には、とても複雑な事実関係を分かりやすく整理し、裏付けとなる証拠と共に裁判所に提出する必要があります。

  そのような場合でも、弁護士へ依頼をしていれば、弁護士を通じてしっかりとこれらの手続を行うことが可能です。逆に言うと、いじめ被害に遭って心身ともに疲弊しきっている中で、ご自身たちで訴状等を用意したり、直接加害者らと交渉をすることは相当困難やストレスが伴うと思います。

  そのため、法的責任の追及を考えた際には詳しい専門の弁護士への相談、依頼が重要だと思います。

3 いじめ加害者に請求できることは何か?

  以上のように、いじめ被害に遭った際には、複数の相談先があり、その中でも弁護士への相談はとりわけ法的責任の追及の場面で有効だということがご理解頂けたと思います。

  では、弁護士への相談の結果、いじめ加害者に対して具体的に何を請求することができるのでしょうか?

  この点、まずとにかく多くの被害者が求めるのは、加害者からの「謝罪」です。いじめを正当化する理由はどこにもない以上、加害行為を行った者から自分に対して心からの謝罪を求めたいのは当然の心情だといえます。

  そして、いじめ問題について弁護士に相談をしてもらった際には、具体的にどのように事を進めれば加害者から謝罪を引き出せるのかのアドバイスが可能です。

  次に損害賠償です。加害行為によって被った損害について、適正な額での賠償を求めることが可能です。いじめ加害者本人に賠償能力がない場合(ほとんどのケースでは加害児童には賠償能力はないと思います)には、法定代理人親権者である父母に求めることも可能です。求めることのできる金額は、治療費、通院費、慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料、弁護士費用等です。

その詳細は別のページに詳細を説明していますのでそちらをご参照ください。

「いじめによる損害賠償として何をいくら請求できるか」

4 学校に請求できることは何か?

  加害児童とは別に、弁護士への相談の結果として学校に対しては、適正な事実関係の調査依頼や、必要に応じていじめ実態調査の申し入れが可能です。

  学校は、事なかれ主義の観点からできるだけ矮小化して解決をしようと試みますが、弁護士からはそのような解決は許されないことを指摘し、適正な調査の実施に向けた意見等が可能です。

  その他、学校にも法的責任があると認められる場合には、損害賠償を含めた追及が可能です。

5 いじめ問題を弁護士に相談することのメリット(まとめ)

  以上のように、いじめ問題の相談窓口は多様であるものの、具体的なケースや、被害者として求めたい結論に応じて相談先をしっかりと見極めることが大切です。

  そして、弁護士はとりわけ法的責任の追及場面で最もその力を発揮します。かつ、いじめの実態をしっかりと調査するよう求める場面でもやはりその力を発揮することが可能です。

  したがって、学校がいじめ調査に消極的な場合、いじめの実態調査に問題がある場合、損害賠償などの法的責任追及をしたい場合には躊躇することなく弁護士への相談をお勧めいたします。

執筆者;弁護士 呉裕麻(おー ゆうま)

1979年 東京都生まれ

2002年 早稲田大学法学部卒業

2006年 司法試験合格

2008年 岡山弁護士会に登録

2013年 岡山県倉敷市に岡山中庄架け橋法律事務所開所

2015年 弁護士法人に組織変更

2022年 弁護士法人岡山香川架け橋法律事務所に商号変更

2022年 香川県高松市に香川オフィスを開所

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