子どもにまつわる法律

未成年者の婚姻

1 民法上の成年年齢について

 成年年齢とは、成年になる年齢のことであり、現在の法律では「年齢18歳をもって、成年とする」とされています(民法4条)。

 そして、成年になれば単独で法律行為(契約など)をすることが可能になります(民法5条1項)。逆に言うと、未成年(18歳未満)の状態では契約をしても、後に取り消しをすることができてしまいます(民法5条2項)。

 この成年年齢は、2022年4月1日から、それまでの20歳だったものが18歳に変更となりました。

2 民法上の婚姻年齢(婚姻適齢)について

 以上の成年年齢とは別に、民法上は婚姻できる年齢について定めています。これを婚姻適齢と言います。

 法律行為のできる年齢と、婚姻のできる年齢とをそれぞれ分けて規定している理由としては、法律行為が契約などの取引行為を主として想定しているのに対して、婚姻は取引行為ではなく身分行為のため、必要な判断能力は別個と考えられるからです。

 そして、この婚姻適齢については、2022年3月31日までは男性は18歳、女性は16歳とされていたものが、4月1日からはいずれも18歳となりました。

 この結果、成年年齢が18歳になったことと相まって結局は、男性でも女性でも18歳になれば成年として単独で法律行為(契約など)が可能となり、かつ単独で婚姻が可能となったのです。

 4月1日以前は、20歳未満が未成年者であり、他方で男性であれば18歳、女性であれば16歳から婚姻が可能でした。そのため、「未成年者の婚姻」という問題があり、その場合には親権者の同意が必要でした。

 しかし、この度の改正でそのような規定も不要になったことから削除されています。

3 未成年者の婚姻についてのまとめ

 以上のとおり、現在の法律では未成年者の婚姻という問題は生じなくなりました。とはいえ、18歳を過ぎれば何事も単独で問題なく社会生活や夫婦生活を送れるかというと実態はそうとは限りません。

 そのため、実際上はまだまだ未熟な若者同士の婚姻に関し、親や周囲の者の援助などが必要であることも多く、時には離婚の問題が生じることもあるでしょうから、その都度、必要な援助を受けることが大切だと言えます。