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学校でのいじめについて学校の責任を問えますか。

1 いじめの責任主体や責任の対象について

 いじめは、第一次的にはいじめをした加害児童ないしその親権者と、被害を受けた被害児童との法律問題となります。

すなわち、加害児童の被害児童に対する民事上の不法行為責任(民法709条)や、刑事上の暴行罪(刑法208条)、傷害罪(204条)などの問題となるのが大原則であり、加害児童による被害児童に対するいじめ行為そのものに関しては、当然に、教員ないし学校が被害児童に対して法的責任を負うことはありません。

 とはいえ、発生したいじめについての対応を巡って学校が被害児童に対して法的責任を負うことはあり得ます。具体的には、教員がいじめに該当する事実を認識しながら適切な対応をしなかったような場合や、生じたいじめに対する事後対応の際に不適切な対応をしたような場合です。

 すなわち、いじめの責任主体と責任の対象は以下のように整理することが可能です。

 このような整理を踏まえ、加害児童の責任が第一次的責任であり、学校の責任は副次的責任であると表現されることもあります。

・加害児童とその親権者→いじめ自体に対する責任

・学校→発生したいじめについての対応を巡る責任

2 発生したいじめについての学校の責任の根拠について

 では、発生したいじめについての対応を巡る責任はどのような根拠で認められるのでしょうか。

 この点、学校は、被害児童に対して信義則ないし在学契約に基づく安全配慮義務を負うと考えられるところ、学校がこの安全配慮義務を怠ったと言える場合には、発生したいじめについての対応を巡る責任が生じると言えます。

3 学校の責任の内容について

 上記のとおり、学校において安全配慮義務違反が認められるようであれば(発生したいじめについての対応に落ち度があったような場合)、被害児童は学校に対して安全配慮義務違反を理由とした損害賠償を求めることが可能です。

 具体的には、学校による安全配慮義務違反のために生じた損害としての慰謝料などが考えられます。

4 教員がいじめに加担していたような場合について

 以上と異なり、教員が加害児童によるいじめ行為に加担していたような場合はどうなるでしょうか。

 この点、教員はみずから積極的にいじめ行為に加担をしていたのですから、教員自身が加害児童と共に、被害児童に対する不法行為責任を負うこととなります。

 加えて、学校として教員のいじめ加担行為についての注意義務違反があれば学校もまた被害児童に対する安全配慮義務違反を理由とした責任を負うこととなります。

5 まとめ

 以上を整理すると、以下のようになります。

①教員はいじめ行為に加担していない場合

 →いじめに対する対応に問題があれば安全配慮義務違反

②教員がいじめ行為に加担していた場合

 →教員と加害児童の不法行為責任

 →学校の安全配慮義務違反

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