子どもにまつわる法律

改正少年法に基づく初の氏名公表について

2022年4月1日に施行された改正少年法に基づき、4月8日に起訴された19歳の被告人の氏名が甲府地検により公表されました。

少年法は、いわゆる「少年」について、「氏名、年齢、職業、住居、容等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。」と定めています(少年法61条)。

そして、少年法では「少年」を20歳に満たない者としているので、これまでは19歳の時に犯した罪について、当該少年の氏名等を地検が公表することはありませんでした。

しかし、この4月1日に、「少年」のうち、18歳以上の者は「特定少年」と定められ、上記61条の適用が除外されることとなったのです(68条・ただし、略式手続は除く)。

この点に関し、最高検は今年2月に、氏名公表の検討対象を「犯罪が重大で、地域社会に与える影響も深刻な事案」とする基準を示し、裁判員裁判対象事件を典型例に挙げていました。本件ではかかる基準に沿うものとして氏名公表に至ったものです。

しかし、そもそも少年犯罪に限らず、ある犯罪が生じた時に加害者の氏名等を検察庁が公表することはどのような意味があるのでしょうか。これは被害者の氏名等についても同様です。

また、マスコミが加害者や被害者の氏名等を公表することも同様です。

憲法上の知る権利とは、加害者や被害者の氏名等を、事件とは直接無関係の市民にまで保障するものなのでしょうか。これら情報を知らないことには事件の原因を探求し、再犯を防止することは不可能なのでしょうか。

この度の氏名公表を踏まえて、改めて氏名公表と知る権利について深く考えるべき時期に来ていると感じます。

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